日本人として生まれて、日本の教育をうけ30年後にオーストラリアに住み着いた私、オーストラリアにくるまではかなりの葛藤がありました。
オーストラリアにくる2年前、わたしが28歳のとき、自分の夢をようやく形にできると確信し、ワーキングホリデーに行くと決めたことで人生は動いていきました。
29歳の誕生日、まずは母にそのことを打ち明け、その夜に父に打ち明けました。
誕生日なのに、どんよりと重い空気が漂っていたのを今でも思い出します。
家の父は反対だったし、反対されることを知っていたからその歳になるまで言い出せなかったのです。
エージェントにも相談しました。
もしかしたら私みたいに思っていて、なかなか一歩を踏み出せる勇気がない人も多かったのかもしれません。
「親に反対されてそれで行かないのも、あなたが決めた事。反対されて行くのもあなたの決断。」
この言葉で、わたしは自分の人生にあとで後悔したくないと思いオーストラリア行きを強行しました。
これが初めて自分の人生に責任を持った瞬間でした。
それまでの人生は、何となくこうした方が世間的に良いだろうとか、両親が喜ぶだろうと誰かに褒めてもらえて認めてもらえるような人生を歩んできました。
安心だからです。
でもそれがいつしか窮屈でたまらなくなっていたのです。
何となく付き合っていた人とこのまま結婚して、平凡な生活して、そのうちに美容室を退職したら自分の店を持って、家族を作って…
考えていたらわたしの思い描いていた夢を叶えるチャンスはいつになったらやってくるの?と思うようになり、当時付き合っていた彼と28歳で別れました。
3年間一緒にいました。
でも目指すゴールが彼とは違っていたんですね。
さすがに当時の日本の風潮のなかで28歳での別れはかなり答えました。
でもあれがなければわたしの世界が広がることはなかったし今のわたしはいなかったはずです。
渡豪直後にスティーブジョブズのスタンフォード大学でのスピーチを知り、その中のある言葉がずっと印象に残っています。
Your time is limited, so don't waste it living someone else's life.
時間は限られている。だから誰かの人生を生きてそれを無駄にしないこと。
他人軸の人生ではきっと後悔する、あの時勇気を出して責任を持って良かったと感じています。
私はこれからもそうしていくでしょう。