スーパー奥手なジェントルマン
映画関係の仕事をしていた彼に、わたしがオーストラリアで会えるのはきっと後数回、いや後一回会えるかどうか?
だってあと2ヶ月後にはLAに帰ってしまう。
それから数日、わたしは仕事以外の場所でその彼にあったのです。
といっても彼がわたしのことに気づいていたかはわかりません。
トラムの駅でたまたま見かけたのです。
行き違いで彼は反対側のトラムで帰ってしまいました。
サーフーズパラダイスは小さな街、お客さんに街中で会うことなんてよくあるのですが、なんだか二人の今後を考えずにはいられませんでした。
どうにか彼の情報が欲しい、個人がネットに自由に色々投稿できる時代、FBか何かSNSのアカウントがないだろうかも実はこっそり調べたのですが見つからず。。
しかし、日に日に募る想い、こちらから連絡することもできず、ただひたすら彼が次のカットの予約をしてくるのを待ったのです。
それから2週間、思ったよりも早く彼からの予約の電話がありました。
これはチャンス。
3度目の来店で、ようやく帰り際にわたしはついに連絡先を渡したのです。
(以前彼が予約してきた電話番号はお店のもの。)
と言うのも、ゴールドコーストはパーティーの街。
男と女が出会って遊ぶのにはちょうどいい街(!?)なのです。
ましてや彼は一人で仕事に来ていて、仕事仲間が数人いるかいないか、仕事先で出会った女の子とご飯をたべに行くくらい、そんなに難しいことはないはずだったのです。
彼には子供はいたのですが、どうやら奥さんとは離婚調停中でわたしとご飯を食べにいくくらいどうってことないはず。
少しでもわたしに興味をもってくれているのなら、当日にでも連絡が来ていいものでした。
しかし、待てども待てども連絡が来ない。
数日後、このままだとかれはLAに帰ってしまうではないか。。
そう思ってスマホに目を落とすと、誰かがわたしの電話番号をLINEに登録しました、という通知があったのです。
待ちに待ったその時がきました。
相手はその映画の彼だったのです。
ついにその彼に直接連絡でいる時がきたのです。
彼はだた番号を登録しただけ、連絡がきたわけではありません。
でもこのチャンスをものにしないわけがないですよね。
わたしはすさずこちらから連絡をしてみたのです。
「あの映画の仕事されてるマークさん(仮)ですよね?」
我ながらすごく積極的。
こうしてその日、何時間にも及ぶLINE会話の末、ようやくご飯に行きましょうと言う流れにもっていったのです。
彼、とても奥手でした。
これからがかなりドラマチックな展開になっていきます。
続きます。