【コンフォートゾーンを出る】
私が短大を卒業した当時、コミュニケーションが異常なほど苦手でした。
近い人とは話すことができるのに、初めて会った人や関係が浅い人とは話すことができなかったのです。
それなのに、わたしは美容室で働くという決断をしてしまいました。
美容室ではコミュニケーションがいかに大切なのかということを知らずに、憧れだけで就職してしまったのです。
働き始めて数ヶ月、美容師になるためのトレーニングは毎日欠かさずに行っていたのですが、実際お店で関わっているお客さんとは、やっぱり一切話すことができませんでした。
仕事がつまらなかったのは言うまでもありません。
それでも仕事を続け、美容師になりなかったのは、両親の反対を押し切ってその道に進むと決めたからなのか、美容師ならオーストラリアで働けると心のどこかで思っていたからなのか、今では忘れてしまいました。
でも仕事は楽しくない。
このままでは続けていけないと思い、ある目標を作ったのです。
それは「毎日、必ず関わったお客さんと挨拶以外の会話をすること」
わたしにとってははじめての挑戦でした。
学生時代は同年代の友達ばかりが周りにいたし、バイト先も同じような年齢層、知っているのは親戚のおじさんやおばさんだけだったので、会話の仕方を知らなかったのです。
新人というだけで新しいことを覚えたり、慣れない環境の中で、さらにかなりの労力を費やしました。
しかし、次第に変化が訪れたのでした。